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今日の日記

2011/09/06 03:52
 必ず一人でプラネタリウムに行くこと。

  それが今日の予定。
 お天気は快晴でも雨でもない曇り。
 騒がしくないお天気。
 昨晩観た「ノルウェーの森」の余韻で、
 今日の始まりの曲にはビートルズの”Norwegian Wood "を選んだ。

  乗り馴れない電車や場所の分からないバス停。
 乗りたかったバスはもう出発していて、すぐ目の前の赤信号で停車していた。
 ドアをドンドン叩いて、乗せてくれのジェスチャーをしようと思ったけれど、
 なんとなく乗せてくれないのが分かったので、ゆっくり煙草を吸った。

  次のバスまで40分。
 
  待つのは嫌いじゃないけれど、開演時間ギリギリは嫌いだから、
 速そうな名前の電車に切り替えた。
 期待通り、電車のホームまでは、長くて無機質なエスカレーターが続く。
 急いでるフリをして駆け下りたり、余裕のあるフリをして左側におとなしく立ったりして、
 電車を待つホームへ向かった。

  綺麗なホームとは打って変わって、汚れた古めかしい電車に乗り込んで数分、
 案外速く目的の駅に着いた。
 外に出て、眩しくて手で影をつくった。
 出て来た太陽の光が建物に反射されて、それは痛い眩しさだった。
 大きな道路、誰ともすれ違わない歩道、たくさんの緑とたくさんの固い高層ビルが
 合わさる景色。
  フワリと旅の匂いがした。
 一人っきりでフラフラ歩く。
 舗装された歩道じゃなくて、俺が木の下を歩きたいから、砂を捲き上げてその道を歩く。
 大きなススキの前で足を止めて、ススキに向かって笑いかける。
 ビルの壁にズラリと並んだ、風がない故に全くはためいていない各国の国旗を
 可哀想に思う。
  道草寄り道ぼんやり自由自在。へへへ。

  そんな速度で向かったからか、プラネタリウムは満席で、
 暗闇の色を観て聴くことが出来なかった。
 平日を選んで来たのになぁ、今日の予定が台無しだ・・・。
 手に入れた、予定の全くない慣れない街の昼下がり。

  とりあえず、さっき見たススキを触りに向かった。
 豊かに育った草の中に人が通れる様な小道を見つけて進むと、
 背の高いススキにぐるりと囲まれた小高い丘があった。
 手の届くススキに触れると、しなだれて、柔らかく俺の手に寄りかかって来た。
 大きな蜂が、同じ様に何度も何度も穂に触っていた。
 甘い蜜もないのになんでだろう??サラサラ気持ちいいのかしら???
  ぼんやり背の高いススキを見上げると、大きな大きな観覧車があった。
 この距離からでは、回っているのかいないのかわからない。
 せっかくだから乗ってみるかと、少し離れた観覧車目指して歩き出した。
 今日唯一の予定を打ち砕かれて、散歩中に見つけたから。
 一人で乗るには全うな理由だろう。

  それでも、係の人は、後ろに並んでいた老夫婦と俺を見て、「3名様ですか?」と尋ねた。
 いいえ、一人です。と言うと、彼女は「よろしかったら記念写真お撮りしますが!」と、
 なにやら南国風の背景の前で写真を撮ってくれるらしいスペースを指差した。
 いいえ、いいです。と言いつつ、思い返せば撮ってもらえば良かった。
  
  赤か青緑に乗りたいなと思っていたので、赤のゴンドラが来たときは少し嬉しかった。
 素直にワクワクしていた。ニヤニヤしながら乗り込んだ。
 すこーしづつゴンドラは上に登って行った。
 乗り込んで5分もしないうちに、飽きて来た。
 見渡す限りの深い森や山々が見えるはずも無く、見えるのは汚い海と、角張った建物、
 長い道路と高速道路、直線で出来た動かない固い景色。
  何よりも、真上の空を眺められない。
 高いところに登るのがすごく好きだけれど、それは空に近いからだもの。
 見下ろすことが好きなんじゃなくて、見上げるのが好きなんだなぁと感じながら、
 暇なので歌を歌っていた。
 大きな声で、あの曲や昔の曲を、ゴンドラの内部で不思議なエコーを響かせて。
 
  歌いきって大満足の顔で観覧車を後にした。
 そろそろ帰ろう、そしてゆっくりコーヒーでも飲みながら、本の続きを読もう。
 駅前の、ちょうど観覧車が丸く見えるところで煙草を吸った。
  帰って来る人、向かう人、場所柄異常な程多いカップル達。
 彼らは相手を縛り付けたり、どんな人間だか知っているフリをしたりするのかな。
 そんなのはごめんだけど、例えば一本の煙草を分け合って吸ったりするのはやはり素敵だな。

  俺は高い場所に登りたがりで、口数は少なく、
 淡さとカラフルさを同時に好きでいられて、人に迷惑をかけるマイペース。
 だからこんな時間がたまらなく好き。
 その時間をさらにあったかく湿らす曲達が好き。
 心に浮かんでは色んな仕草を残す彼や彼女が好き。

  頼んだ紅茶からはバニラの匂いがして、
 ドイツ人のピアニストを教えてくれた、素敵なカフェで書いた今日の日記。

 
  
 
 
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